末梢の血管に生じる循環障害 この血液の通り道である血管(下肢動脈)が動脈硬化によって硬く細くなったり(狭窄)、詰まったり(閉塞)すると血液の流れが悪くなる血行障害が起こります。 この血行障害が手足などの末梢の血管に生じた状態を閉塞性動脈硬化症(ASO)です。 国際的には末梢動脈疾患(PAD)という言い方をしています。
ASOの症状は?
ASOの症状として、最も多いものが間歇性跛行です。 これは「歩くと足が痛く、重くなって歩けなくなり、休むとよくなる」というものです。 他に足の冷感、シビれ、色調不良(灰色、黒色)などの症状もみられることが少なくありません。 但し、脊椎菅狭窄症、糖尿病による神経障害などでも同様の症状がみられることがあります。
ASOの原因は?
動脈硬化が原因となります。 その危険因子として、生活習慣病と生活習慣が関係してい ます(糖尿病・脂質異常症:主に高コレステロール血症・高血圧・肥満・喫煙など Fig.3)。 喫煙にて、より一層の血流障害がみられます(Fig.4)。 また、合併症として、高血圧・糖 尿病・脳卒中・虚血性心疾患等があります(Fig.5)。
ASO 痛み なぜ?
Q:足のASOでは歩くと足が痛くなるのはどうしてですか? A:血管が狭くてもまわりの血管を通ってある程度の血液が流れるため、安静にしている時は、自覚症状はあまり出ません。 しかし、歩くにつれて、血流が不足するため、筋肉内には乳酸やカリウムなどの痛みの原因となる物質が貯まり、痛みを自覚するようになります。
閉塞性動脈硬化症の基礎疾患は?
閉塞性動脈硬化症を進行させやすいケース 閉塞性動脈硬化症を発症している方の多くは、基礎疾患として糖尿病や高血圧を持つ方が多く、中には、脳梗塞や心筋梗塞の既往などがある方もいらっしゃいます。 これらの既往がある方の中で特に注意しなくてはいけないのが、「糖尿病」の方と「脳梗塞にて麻痺やしびれがある」方です。