洗浄の目的は、創表面に付着した細菌類の数を減らすことです。 わが国のガイドラインでは、「十分な量の生理食塩水または水道水を用いて洗浄する(推奨度C1)」となっています。
創部 生理食塩水 なぜ?
また、なぜ滅菌精製水や蒸留水ではなく生理的食塩水を使うのであろうか。 これは、既に細胞の生存あるいは増殖にとって何が必要かが判っているからである。 つまり、腹腔内などの生きた細胞は、細胞内部と同じ浸透圧、つまり等張液でないと活動できなくなるからである。
創部の洗浄方法は?
創からの浸出液が多い、また臭いがある時は、創周囲皮膚を石鹸で洗います <洗浄の方法> ① 低刺激性の石鹸(弱酸性)をよく泡立てます。 ② 泡立てた泡で創周囲の皮膚をやさしくなでるように洗いましょう。 ③ 石鹸を洗い流します。 シャワ-は創に直接当てず、創の上部に当てて 流れるお湯で洗いましょう。
褥瘡の洗浄頻度は?
洗う頻度は1日1回程度でよいことが多いですが、きずの状況によってさまざまです。 ばい菌を減らす目的で、昔はきずに対して消毒を頻繁に行っていました。 褥瘡治療の研究データの中にも、消毒液のひとつであるポピドンヨードで消毒した場合のほうが治療経過がよいとする報告がいくつかあります。
褥瘡 何で洗う?
弱酸性の液体石鹸を水道水で適度に希釈したもので褥瘡と周囲皮膚をやさしく洗って下さい。 使い捨てのビニール手袋などをはめて洗うとよいでしょう。 このように洗うことによって褥瘡や褥瘡周囲の細かな壊死組織などを除くことができ、また細菌も減少させることができます。 弱酸性石鹸水は生理食塩水や水道水で十分に洗い流しましょう。