呼吸不全とは、ひとつの疾患ではなく、原因となるさまざまな疾患のために呼吸器機能が低下した結果、 血液中の酸素濃度が危険なほど低下したり、または二酸化炭素濃度が危険なほど上昇し、十分な酸素を 臓器に送れなくなった状態をいいます。 原因となった病名とともに使う病態です。
呼吸不全になるとどうなる?
呼吸不全には急性と慢性があります。 急性はもともと肺に異常がなかったひとが肺炎や敗血症などが原因で急に酸素を取込めなくなった状態です。 酸素吸入だけで治らない重症になると人工呼吸を行うことが必要になります。 一方、慢性呼吸不全は肺そのものの疾患のために酸素が取込めなくなっている状態です。
呼吸不全の原因疾患は?
急性呼吸不全の原因疾患には様々なものがありますが、肺炎や後述するARDS、急性肺血栓塞栓症、自然気胸などが代表的です。 また慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎が感染や心不全などの合併を契機に急性増悪することもあります。
呼吸不全の症状は?
激しい息切れ、皮膚の青みがかった変色、錯乱または眠気などの症状がみられることがあります。 医師は指先のセンサー(パルスオキシメーター)を使って酸素レベルの低下を検出し、血液検査で血液中の二酸化炭素濃度の上昇を検出します。 治療のため、酸素が投与されます。
慢性呼吸不全の原因疾患は?
慢性呼吸不全の原因疾患 日本では慢性閉塞性肺疾患(COPD)と結核後遺症が原因の多くを占めており、このほかに気管支拡張症、間質性肺炎(肺線維症)、肺癌などの肺疾患、脊椎後側彎症などの胸郭疾患、神経筋疾患などが原因となります。