腎臓病とリン・カルシウムについて考えよう ~慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常とは~ 腎臓の機能が低下すると、リンを尿へ排出できなくなり、血液中のリンの濃度が上昇します。 また、ビタミンD の働きが阻害されるため、カルシウムが体に吸収されにくくなり、血液中のカルシウム濃度は低下します。
カルシウム低下 なぜ?
カルシウム濃度の低下は、副甲状腺の問題や、食事、腎疾患、特定の薬剤などが原因で発生します。 低カルシウム血症が進行すると、強い痛みを伴う筋肉のけいれんがよくみられ、そのほかに錯乱、抑うつ、忘れっぽくなる、唇や指や足のチクチク感、筋肉のこわばりと疼きなどの症状が現れることもあります。
腎不全 骨粗鬆症 なぜ?
腎の尿細管は尿のカルシウム排泄を調節しており腎機能が低下すると血液中のカルシウム濃度が低下します。 さらに腎臓はビタミンDの活性化に関与しているため腎機能低下によりビタミンD活性が障害され骨粗鬆症がします。 同時に副甲状腺ホルモンが分泌されることで骨吸収がさらに進行します。
低カルシウム血症 筋肉 なぜ?
低Ca2+血症においては、末梢神経線維は高度に興奮性が高まり、時には刺激がなくても静止状態にとどまることができず、反復性に放電する。 カルシウム濃度が正常の50%に下がると、多くの末梢神経で自発性の放電が生じ、筋の過剰な収縮を起こす1)。
高カルシウム血症 腎不全 なぜ?
高カルシウム血症では、腎障害を惹起することがいわれています。 原因としては、カルシウムの組織への沈着、尿細管閉塞、動脈収縮、糸球体濾過値の低下、脱水などが複合的に合併し発症します。 さらに、高カルシウム血症で臨床的に良く認められる多尿や脱水は、尿濃縮機構障害により起こるとされています。