認知症の症状は、記憶障害や見当識障害、理解力・判断力の低下などの中核症状と、行動・心理症状(BPSD; Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)に大別できます。
認知症は何の障害?
認知症で、脳の細胞が死ぬ、脳の働きが低下することによって直接的に起こる記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能障害、言語障害(失語)、失行・失認などの認知機能の障害を中核症状と言います。
認知機能障害 なぜ?
加齢以外には、認知症を引き起こす様々な病気、例えばアルツハイマー病やピック病・びまん性レビー小体病などをはじめとした神経変性疾患、脳梗塞や脳出血・慢性硬膜下血腫・脳腫瘍・脳炎・正常圧水頭症など脳の病気、クロイツフェルト・ヤコブ病などの感染症などが原因として挙げられます。
認知症 何割?
認知症と共に生きる高齢者の人口 現在、65歳以上の約16%が認知症であると推計されていますが、80歳代の後半であれば男性の35%、女性の44%、95歳を過ぎると男性の51%、女性の84%が認知症であることが明らかにされています(表1)。
認知症になると何もわからなくなる?
認知症になると何も分からなくなり、徘徊や妄想、興奮など不可解な行動を起こすと考えている人たちがいます。 たしかに認知症の人には、直前のことを忘れたり、今いる場所が分からなくなる、あるいは親しい人のことが分からなくなるなどの症状が現れてきます。 しかしこれは認知症という「病気」が原因で起こっていることなのです。