血液中のリンが過剰になると、リンがカルシウムと結合して血管の壁に 沈着する「血管石灰化」が徐々に進みます。 石灰化により、血管は狭くなったり、硬くなったりしていきます。 そのため、さまざまな病気の原因となります。 また、血液の流れが悪く なるためシャントにも影響します。
リンの多い食べ物って何ですか?
リンは、玄米やライ麦パン、甲殻類、魚卵、干物などにも多く含まれます。 また、食事だけでなく、間食もリンの摂りすぎの原因となる場合があるので、注意しましょう。 リンは、たんぱく質の多い肉や魚、卵、豆類、乳製品のほか、加工食品に多く含まれることがよく知られています。
リンが高いのはなぜ?
リンは生命維持に欠かせないミネラルの一種です。 通常、血液中のリンの濃度(血清リン濃度)は腎臓の調節機能によって一定に保たれています。 しかし、腎機能が低下すると、リンが尿中に排泄されず、血液中に蓄積して「高リン血症」になります。 「高リン血症」になると、血液中のリンの影響によって副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。
高リン血症になるとどうなる?
近年の研究で高リン血症は血管の内皮障害や血管の平滑筋細胞を骨芽細胞へと変身させてしまい、血管の石灰化、動脈硬化を引き起こすことが解かってきました。 その結果、心筋梗塞や狭心症、脳卒中、下肢動脈血流障害などの心血管病の発症を引き起こします。 また、一方でリンは骨よりFGF-23というホルモンの産生をうながします。
高リン血症の症状は?
腎臓の機能が低下すると、リンの排泄ができなくなり、徐々に体内に溜まって高リン血症となります。 高リン血症はそれ自体自覚症状はありませんが、高リン状態が続くことにより、骨がもろくなったり、骨ではないところに石灰化を起こして心筋梗塞や脳卒中といった深刻な事態につながります。