肛門周囲、骨の突出した部分をはじめ、褥瘡がある場合にはその周囲などへ白色ワセリンを塗ることで、湿潤の防止、おむつ交換時などに発生する摩擦やずれの回避ができます。
褥瘡予防 保湿 なぜ?
乾燥した皮膚は細菌などの異物が侵入しやすい状態 皮膚が乾燥すると角層がひび割れて隙間だらけとなり、アレルゲンや細菌などの異物が侵入しやすい状態になります。 よって、乾燥した状態は皮膚障害への準備段階にあり、保湿による予防的スキンケアが必要です。
創部洗浄 なぜ?
洗浄の目的は、創表面に付着した細菌類の数を減らすことです。 わが国のガイドラインでは、「十分な量の生理食塩水または水道水を用いて洗浄する(推奨度C1)」となっています。
褥瘡 何塗る?
患部の保護を目的として塗り薬を使う場合は「白色ワセリン」「亜鉛化軟膏(酸化亜鉛)」「アズノール軟膏0.033%(ジメチルプロピルアズレン)」などの油脂性基剤軟膏を使います。 感染対策が目的の場合は「ゲーベンクリーム1%」などの外用薬が使用されます。
褥瘡 湿潤環境 なぜ?
なぜ、湿潤状態のほうが創は早く治るのでしょうか。 それは、創部の滲出液には各種の細胞増殖因子が豊富に含まれているからです(表3)。 創面からの滲出液が除去されないで保持された湿潤環境下では、真皮側の線維芽細胞、コラーゲンの増生が起こり良性の肉芽組織が形成されていきます(図8)。