術後2~3日で内分泌環境は安定し、サードスペースにあった水分が血管内に戻るため、尿量が増加します(利尿期)。 利尿期までの輸液量の調節が難しく、腎不全や心不全を防ぐために慎重な術後管理が求められます。 6 февр. 2017 г.
OP後の輸液なぜする?
手術の侵襲度にもよりますが、術後の輸液投与の主目的は、術後の経口摂取不能に起因する不感蒸泄を補うことです。 十分な利尿が得られるように維持輸液を行い、脱水ならびに輸液過剰にならないように注意しながら、適切な量を投与しましょう(表1)。 乏尿時(尿量0.5mL/kg/ 時)の輸液負荷で過剰輸液にはなりませんか?
手術中 尿量 なぜ?
手術を受けると体液バランスが大きく変化し、特に循環血液量は「出血量」「開創による不感蒸泄」「侵襲に伴う細胞外のサードスペースへの水分移行」で減少します。 その循環血液量を最も反映しているのが「尿量」です。
術後 抗利尿ホルモン なぜ?
例えば、術前では絶飲食での脱水傾向、術後では滲出液による体液喪失などが挙げられます。 また、術後は手術侵襲や痛み、炎症、ストレスなどによって抗利尿ホルモン(ADH)の分泌が亢進されることで、腎臓での再吸収が促されて尿量が減るほか、サードスペースが出現することで水分移動が生じます。
術後 体液貯留 なぜ?
手術や感染症などの侵襲が生体に加わると、炎症により血管の透過性が亢進し、血管内から血管外(サードスペース)へ水分が漏れ出します。 その結果、全身の浮腫や胸水・腹水の貯留が起こります(図1-A)。