心不全の初期では、夜間に小水に起きるようになります(夜間多尿)。 日中、全身に分布していた血液が、夜、横になると体幹に戻り、腎臓の血流が増加するため、就寝後の尿量が増えるからです。
心不全 なぜ尿量測定?
体液の電解質バランスを把握するため、血清カリウムやナトリウムなどの数値を定期的に確認します。 うっ血性心不全の場合、血管外に水分が漏出してしまっている状態ですが、その際、ナトリウムも血管外に出てしまいます。 尿量が減少するため、血管内には水分が蓄積しナトリウムが少なくなるので、ナトリウム値に注意が必要です。
心不全 頻尿 なぜ?
心臓が丈夫なうちは立位でも肝臓に十分な血液が流れ込みますが、心不全になると、腎臓の血流が少なくなり尿があり作られません。 一方で夜間寝た状態では、腎血流量が回復し尿量も増え、このことによって、昼間に生じた軽度のうっ血状態や浮腫が改善され心臓の負荷も軽減されています。
心不全でなぜ利尿剤?
一般に心不全では、心臓のポンプ機能が低下することにより、体内に水分が貯留します。 水分が貯留することで、さらに心臓に負担がかかります。 利尿薬は、体内に溜まった余分な水分をおしっことして排出する薬です。 心臓にかかる負担を減らし、肺や下肢に溜まった水分を排出することで、呼吸困難やむくみなどの症状を改善します。
慢性心不全の排尿は?
しかし慢性心不全の患者さんや、何らかの腎疾患で尿の濃縮力が障害された場合には夜中に何回もトイレにいくようになります。 慢性心不全の患者さんの場合、夜寝ると心臓の負担が減り、また交感神経系の緊張が緩み腎血流が増加します。 その結果として尿量が増えると考えられているためこの場合腎臓の問題ではありません。