「言葉」はどのようにして生まれたのか. 小鳥のさえずりから起源を考える. 岡ノ谷一夫. (東京大学大学院総合文化研究科教授).
言語はどうやって生まれたのか?
言語の起源について、岡ノ谷一夫教授(総合文化研究科)は歌が鍵を握るのではないかと考える。 すなわち、歌から単語を切り出す能力に、階層的な組み合わせを作る能力が合わさった時、言語の原型が生まれたというわけだ。
人類が言葉を使い始めたのはいつ?
今から250万年前には、地球が寒冷化して氷河時代をむかえ、今から200万年ほど前には「原人(げんじん)」が現れ、打製石器(だせいせっき)を使い始めました。 やがて人類は火や言葉を使えるようになりました。 今から20万年ほど前には、現在の人類の直接の祖先にあたる新人〈ホモ・サピエンス〉が現れ、世界中に広がりました。
言葉とはどのようなものか?
「生きていて、心と連動し、現実を形づくるもの」と定義しています。 人の心は言葉でできているという考え方です。 より踏み込んだ表現をするならば、行動をおこすことが現実世界の言葉と言えます。
日本語は誰が作ったのか?
「日本語(標準語)」を作ることこそが国(国家という意識)を作ることであるーー近代言語学を初めて日本に導入すると同時に、標準語の制定や仮名遣いの統一などを通じて「近代日本語」の成立にきわめて大きな役割を果たした国語学者・上田万年とその時代を描く。