長期臥床で交感神経活動が障害されるため、下肢の血管収縮が不十分となり静脈還流量が減少、1 回心拍出量の低下をきたし脳血液量が低下します。 循環血液量低下と血管運動調節機能障害、心筋機能の低下が、起立性低血圧、めまいや失神症状を引き起こすとされています。
ずっと寝たきり どうなる?
寝たきり状態が長引くと心臓の機能も衰えて、心拍出量の低下とともに立ちくらみ(起立性低血圧)などもみられやすくなります。 また、特に下肢を動かさない状態が長引くことで、血栓ができてしまうことがあります(深部静脈血栓症)。 さらに、呼吸に関連する筋肉の衰えによって肺活量が低下し、換気量も減少していきます。
1週間動かないとどうなる?
人間の筋力は、1週間の絶対安静で10~15%、3~5週間で50%まで低下します。 また筋肉の萎縮も同時に起こり、2か月以内に筋肉の量は半分になるといわれています。 動かないことは関節にも影響し、関節が動かしにくくなったり、広がる幅が狭くなったりします。
長期臥床 心拍数 なぜ?
安静臥床により、心機能、循環器機能に様々な廃用症候群が発生します。 その結果、運動耐容能は低下し、最大酸素摂取量は減少します。 低運動が続くことで、安静時心拍数の増加、運動時心拍数の増加、循環血液量の減少、血管運動調節機能(血圧調節)の低下、深部静脈血栓、心機能の低下などが発生します。
廃用症候群 どうなる?
廃用症候群とは、寝たきりに近い状態などで加齢や疾患などによる活動性の低下や過度の安静で生じる身体の障害です。 身体状況により安静が望ましいことはありますが、過度に安静にしてしまうと筋力が著しく低下してしまいます。 介護が必要な高齢者や、脳卒中などを発症して寝たきりになった人に多く起こる点が特徴 です。