がんが進行すると、おなかに大量の水がたまる腹水が起きることがあります。 胃がん、大腸がん、膵臓がん、卵巣がんなどでみられる症状で、おなかの中に散らばったがん細胞が炎症を起こし、その影響で血管から水分や血液成分が染み出すことから生じます。
腹水をほっておくとどうなる?
お腹の中には、通常20~50ml程度の少量の腹水があり、腹膜で産生、吸収され一定量に調整されています。 しかし、腹水が原因で、お腹の張りが強くなり、思い通りに食事ができなくなることがあります。 食事が十分に食べれない状況が続くと、栄養状態が悪化くなり、体力が低下し、ひいては免疫力の低下につながります。
腹水 卵巣癌 なぜ?
卵巣がんで生じる腹水とは 卵巣がんは自覚症状があまりないことが知られていますが、腫瘍が大きくなったり、がんがお腹の中(腹膜)に広がる“腹膜播種”が生じたりすると、炎症を和らげるために腹水がたまるようになります。
腹水がたまるとどうなりますか?
中程度の量の腹水がたまると、胴回りの寸法と体重が増えることがあります。 大量の腹水は、腹部の膨隆と不快感を引き起こすことがあります。 腹部が張り詰めて、へそが扁平になったり飛び出たりすることさえあります。 腹部が膨張すると、胃が圧迫されて食欲不振になったり、肺が圧迫されてときに息切れを起こしたりします。
大腸がん 腹水 なぜ?
大腸がんの浸潤が進み末期の状態になると、がんの組織が大腸を突き破り、腸管からの出血を引き起こします。 この出血が持続すると重度の貧血につながることもあります。 さらに、腸管から腹腔内にばらまかれたがん組織は、腹膜に転移して「腹膜播種」という状態になると、腹水や水腎症、激しい腹痛など、様々な症状を引き起こします。