これは覚醒と睡眠の移行期(眠りがけ、まれに起きがけ)に起こる「入眠時幻覚を伴う睡眠麻痺」と呼ばれる現象であり、一般には「金縛り」と呼ばれています。 必ずしも異常な現象ではなく、われわれが行った1万人を対象にした調査では、16歳前後で始まることが最も多く、約半分の人が一生の間に1回以上を体験していました。
金縛りってどういう時になるの?
睡眠は、大脳を休息させる「ノンレム睡眠」と、身体は休んでいるが、脳は活発に働いている「レム睡眠」が一晩の間に交互に訪れます。 レム睡眠中は全身の筋肉が弛緩していて力が入らない状態なのですが、このときに突然脳だけが目覚めると“睡眠麻痺”が起こるのです。 ━金縛りは“睡眠麻痺”という症状なんですね。
金縛りに何回もなる?
金縛りを何度も繰り返す場合には、医療機関や専門機関で相談をおすすめします。 また、睡眠ポリグラフィー検査を行うことで、睡眠麻痺を起こす特定原因の有無を確認できます。 睡眠障害の原因と程度を判定するために行う検査で、睡眠の質や呼吸状態、心電図、体の動きなど、睡眠中に起こることを全体的に見ます。
金縛り 何時間?
最初のレム睡眠は寝付いてから60~120分で出現し、以後平均して約90分周期で一晩に3~5回出現する。 1回あたりのレム睡眠は平均で20分ほどだが、体内時計の指令で明け方になるにしたがって長くなり、1時間ほど続くこともある。 休日の早朝に二度寝をすると夢をよく見るのもこのレム睡眠の特徴的な時間分布による。
金縛り 息できない なぜ?
レム睡眠時の金縛りの場合には、身体がレム睡眠の状態のまま、突然脳が目覚めてしまうため、睡眠麻痺の状態となります。 睡眠麻痺が起こると、呼吸をするための筋肉にも意図的に力が入りにくくなり呼吸が苦しく感じたり、寝ぼけて夢と現実を混同してしまうことがあります。