ふだんは何ともないのに、何かしようとすると手がふるえて日常生活に支障が出て精神的な苦痛を感じる、そのような場合は治療の対象になってきます。 手がふるえる場合、病気が原因のこともあります。 最も多いのは本態性振戦かパーキンソン病ですが、ほとんどはふるえ方の違いで見分けることができます(表)。
何かを持ったら手が震える?
自分で動かそうとしていないのに体が規則的にふるえることを「振戦(しんせん)」といいます。 誰でも強い緊張やストレスを感じたり、重い物を持つと振戦が出現します。 これは生理的振戦といって病気ではありません。 原因がなくなれば自然とふるえはおさまります。
手が小刻みに震えるのはなぜ?
本態性振戦(ほんたいせいしんせん) 「両手を伸ばしたときに手がふるえる」「首や頭が小刻みにふるえる」「話すときに声がふるえる」といった症状は、本態性振戦である可能性が高いといえます。
何もしてないのに震える?
静止時振戦は、何もしていない時、筋肉が緩んだ時に出る振戦で、手を動かすとふるえ自体は止まるというふるえです。 このタイプのふるえを生じる代表的な病気はパーキンソン病です。 パーキンソン病は、脳内のドーパミンというホルモンが減少していくために、静止時振戦や動作緩慢、バランスの障害などを生じてしまう病気です。
怒ると手が震える なぜ?
緊張の他にも不安や恐怖、怒りなどによるふるえは生理的なふるえと言われ、その発生にはアドレナリンが大きく関わっています。 アドレナリンは脳が感情の高まりを感じると分泌され、心拍数が上昇するなど自律神経が身体をうまくコントロールできなくなります。 感情が高ぶる場面でふるえが顕著になるのはそのためです。